翻訳コーディネーターのぶっちゃげたハナシ

翻訳コーディネーターの視点から、翻訳業界の関係者に届けるリアルボイス。

「翻訳プロセス」こそが翻訳会社の持つ最大の強みではなかろうか

こんにゃくです。

「高いお金出して、翻訳会社に発注する意味ってあるの?」という意見をよく耳にするので、その回答を考えてみました。

(実際、クライアントからの値下げ要求も増えていますし、最近は業界内の人間からでさえもそんな声が聞こえてくるようになりました。)

 

たしかに苦しいところです。

 

ただ、私は、翻訳会社に翻訳してもらうことには、これからも意味がある思います。

 

 

なぜなら、翻訳会社は「翻訳プロセス」をもっているからです。

 

プロセスといっても、業界の中にいる人からしたら単純なことです。

翻訳して、チェック(レビュー)して、必要あればツールチェックなり、プルーフリーディングして・・・っていう工程のことですね。

もっといえば、依頼内容の特性に応じて、適切なスタッフをアサインし、指示を出し、管理し、最終チェックも行い、提出後も振り返ってプロセス全体を見直すという・・・ある意味業界の中では一般的に行われていること。

 

翻訳は、翻訳者が翻訳してもらって終わり!とはなりません。

それだけでは、品質が安定しないと断言できます。

どんな優秀な翻訳者だってミスはしますから後工程でのチェック(レビュー)は必須ですし、そもそもアサインした翻訳者がマッチングしていなかったり十分に能力がない状態ならば前工程からの失敗となってしまいます。

翻訳会社は、翻訳作業の前工程と後工程を含めて、プロセス全体をデザインして、成果物を上げています。

 

 

便利なインターネットサービスのおかげで、翻訳発注したい人とフリーランスがつながりやすくなりました。ランサーズとかでも翻訳の仕事が多く出ているようです。

また、機械翻訳技術の発展が目覚ましく、もはや人が翻訳しなくてもいいんじゃないかという時代にもなりつつあります。

 

そういった背景があるのかとは思いますが、 翻訳会社がこれまで行ってきた品質管理を真っ向から否定できるほどの威力があるには、まだまだ感じません。

これらの工程をすべて実行すること、必要なスタッフをそろえること、翻訳者を評価できるメンバーと体制をつくること、翻訳会社外でやろうと思えばなかなか大変だと思いますよ?

 

いい加減な翻訳会社もあるでしょうから一概には言えませんが、翻訳会社は常に前に進んでいるはずです。業界の動向もよく知っているはずです。

新しく翻訳依頼を検討されている方、今付き合いのある翻訳会社に不満のある方、ぜひ翻訳会社に聞いてみてください。御社の付加価値は何ですか?と。

「中抜き」で高単価になっているわけではない、ときっとわかると思います。

 

翻訳会社も、もっと自信持とう!

なんかもやもやしていたので書いてみた一記事でした。